がんは、どのくらい「遺伝が関係するか?」の科学的研究

2017年01月26日

昨年ハーバード大学では、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの同性の双子について、がんの発生状況を追跡調査し、一卵性と二卵性で同一部位のがんにかかる率の差から、遺伝的な要素の大きさを研究した結果を発表しました。

対象11部位のがんのうち、大腸がん35%、乳がん27%、前立腺がん42%というように、遺伝的な要素の影響が有意に検出されました。しかし、その他は環境要因の影響と考えられました。

一方、遺伝的な要素であっても環境要因の影響を強めたり弱めたりする部分があるため、ほとんどは環境要因を変えることで予防できると考えられたのです

さらに双子の1人が、がんにかかった場合、もう1人が75歳までに同じがんにかかるリスクも推計されました。

双子の赤ちゃん.jpg

 一卵性と二卵性それぞれの場合、大腸がんが11%と5%、乳がんが13%と9%、前立腺がんが18%と3%になりました。つまり、遺伝的な要因の強いこれらのがんであっても、また、例え遺伝子が100%一致していても、同じがんになる確率は1〜2割に過ぎなかったのです

そして、全体のがんとして遺伝は5%以下と考えられました。
すなわち、ほとんどの人は「がんが遺伝する」ことに対して心配する必要はないということです

がん家系ではないか? 遺伝ではないか? と考えるよりも、むしろ残りの95%は「環境要因」の影響なので、生活習慣や生活環境を改善することこそ最優先されるべきという結果です

がんの原因 遺伝は5%以下.jpg
posted by Dr.ナガシマ at 17:36 | がん予防
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